高校時代の実録

毎日を過ごして、感じたことを日記のように文章にしていこうと思います。

3.デミグラスソース

私たちはまず、鞍馬寺へ向かった。中々の勾配の坂を登り続けたので私はへたってしまったが、できるだけ息が上がっていないふりをした。彼女は少し膝が痛むと言っていたが、大丈夫だとも言っていたのであまり心配しないことにした。並みの絶景を望み、密かに膝を気遣いながら下山し私たちは昼食のオムライスを目指した。出町柳の駅から徒歩数分で到着するオムライスは高校生女子には喜んでもらえる一品だったと思う。しかし量が多く、女子には完食するのが大変そうに思え、残すことを勧めたが、彼女は「食べ物を残すのはよくないよ。そんなことを言うなんて以外ね。」と言った。彼女の正論に私は大いに傷ついたが、確かにこのときの私は過保護と言え、失敗だったと今更ながら思う。しかしながら、また彼女に対して尊敬の意を強めたのだった。この後、彼女は僕が手洗いに行っている間に私の分も含め会計を済ませてしまった。よっぽど朝の私の行動が気に食わなかったのだろう。「お昼くらいは払わせてよね。」彼女は笑みを浮かべながら言った。私は、もう十七になったところであったし、好きな人と出かけるのであったから、あまり気にしてほしく無いところであったが、彼女の性格上誰かに奢ってもらうというのは少し憚るところがあったのだろう。


   その後、私たちは鴨川の河川敷を歩いたり先斗町で写真を撮りながら歩いた。彼女の要望の、清水寺にも行ったが、改修中であの有名な清水の舞台を拝むことはできなかった。それでも産寧坂などのお土産やさんをゆっくりと回り、私の考えた京都鴨川沿いの観光地巡りはいよいよ最後の伏見の神社へ差し掛かった。そのとき、彼女が突然私に打ち明けたのだった。続く