高校時代の実録

毎日を過ごして、感じたことを日記のように文章にしていこうと思います。

8.神聖なる恋

   その後を言うと私は生きながらえた。もう私は腹に決めていたので、空港で解散した後、ゴロゴロとキャリアバックを転がして出口の先にある埠頭を目指した。その時ある声が後方より私を読んだ。妹であった。帰ろうと言うので私は言われるがままに駐車場の母が待つ車へ乗って帰宅した。家を懐かしみ、しばらく落ち着いてテレビを見るというわけでもないが眺めているともう死ぬという考えは消えた。さらに、直ぐに四月を迎えて課題だの考査だのに追われる身となったので、彼女への想いは多忙に雲隠れした。その後の彼女との関係に関しては今は多くを語らないでおこう。苦しみはその後も度々私を襲っている。この苦しみは、天が与えた私の愚かさへの罰であろう。今告白するが、中学時代彼女のことを好きだということを周りに悟られないように、色恋沙汰に関しては沈黙を保っていた。彼女のことを好きだと言う人は掃いて捨てるほど転がっていたので、周りに悟られるないでいれば、私は敵を知っているが敵は私を敵とは知らないという戦況を築けると、中学生でありながら決戦の時に備えていたのだ。また、彼女に告白をして砕け散った奴には内心お前はダメだったかと同情し嘲笑してやったりもした。そいつには成績で負けようが可哀想な奴と位置付けていたので負けた気がしなかった。私は愚かだ。罪人だ。罰を与えるべきだったのだ。人道というものを知るべきであったのだ。しかし、これらのことは次に挙げる本当の罪に比べれば友人のの財布から百円を盗み取る程度のものである。

 

   本当の罪、それは愛人を傷つけたことだろう。鳥居の下で彼女に想いを打ち明ける際や、ガレージで話をする時に彼女を思いやるべきであった。必要なのは物質的気遣いではなく精神的気遣いであった。さぞ苦しかっただろう。私は先ほど自らの苦しみをここに書いたが、実際は私の数倍彼女は苦しみ枕を濡らしただろう。酷く反省する。男子たるもの愛人に身を捧げて、幸せにするべきだと私は考えている。私は人間失格。男子として人間の一生を全うせよと生まれた時に命を下されたが、十七年も経たずに破戒、情けない。女性に私と人生の一部分とはいえ共に生きて欲しいと言うのであるから、軽々しいものであってはいけないのである。
恋は神聖、軽々しく踏み入れてはいけない地なのである。
   fin