高校時代の実録

毎日を過ごして、感じたことを日記のように文章にしていこうと思います。

8.神聖なる恋

その後を言うと私は生きながらえた。もう私は腹に決めていたので、空港で解散した後、ゴロゴロとキャリアバックを転がして出口の先にある埠頭を目指した。その時ある声が後方より私を読んだ。妹であった。帰ろうと言うので私は言われるがままに駐車場の母が…

7.薬害

その日の十九時頃、私はすでに食事会の集合場所である少しひなびた感じのする中華料理店で友人たちと会っていた。友人たち(友人と呼べるほど親しい人は数少ないが)は入学から丸一年で起こった思い出について終始楽しそうに話していた。しかし、私はというと…

6.決壊

京都に行ってから少し日が経った三月十四日、火曜日のことであった。私は朝が得意でなかったため、学校の無い日は正午近くまで布団にくるまっているのが普通であった。その日は十一時頃に目が覚めて、いつもどおり寝ぼけた顔で朝ごはんを食べた。そしていつ…

5.朱色に照らされて

境内の鳥居や本殿などは朱塗りにされている。神様の力である豊穣を表しているという。多くの鳥居が境内に並ぶことでおびただしい数の観光客を集めるこの神社は、昼間は歩きづらくなるほど観光客が押し寄せるが、日が落ちる頃にはだいぶ景観を楽しめるように…

4.夕暮れの告白

彼女は以下のように私に話した。 「一つ聞いて欲しいことがあるんだ。部活のことなんだけどいい?」 もちろん聞いた。彼女はこのような形で私を頼ることはほとんどしなかったので少し意外であり嬉しかった。 「もうちょっとでハンドボール部の先輩が引退する…

3.デミグラスソース

私たちはまず、鞍馬寺へ向かった。中々の勾配の坂を登り続けたので私はへたってしまったが、できるだけ息が上がっていないふりをした。彼女は少し膝が痛むと言っていたが、大丈夫だとも言っていたのであまり心配しないことにした。並みの絶景を望み、密かに…

2.幼馴染

最初に明言しておくが、この文章は実録である。 アメリカ留学を五日後に控えた同年の三月十日金曜日に遡る。日に日に三寒四温と言える春の近づきを感じられる気温の高い日が多くなってきている中、比較的寒さのきつい日のことであった。なんとなく幼馴染の女…

1.恋は罪悪ですよ。

九月二十六日火曜日 まず、書いておきたい出来事が一つあるのでそれについて記す。 入学当初のことである。私は運動神経が極めて悪く、運動部に入るような人間ではなかった。そしてまた、吹奏楽部や軽音部などは人数が多く、コミュニケーションが苦手な私に…

プロローグ

私は三日坊主な性格だ。だからこの日記も早々にやめてしまうかもしれない。しかし、日記を書こうと思ったのには理由がある。 私は高校二年、早くも二度目の夏が終わってしまった。受験という足かせに制限されず、自由に動き回れるのは、来年の春までと考えて…